11月の海はブルーターコイズ
誰も入る事のできないはずの
閉じられた部屋の中に
少しの隙間から
11月の陽射しだけが
簡単に射し込んできた
それは
薄暗く濁った想いのように
暖かさを通り越し
ジリジリと背中を刺してきた
遮ることのできない
その濁った陽射しは
その部屋を埋め尽くした
いつしか私は
全ての感情を失い
心を凍らせていった
そして私は
笑わなくなった
笑えなくなっていた
目の前にある
その扉を開くまでは…
あの日、目の前の扉が
私の感情に直接アクセスしてきた
好きに生きてもいいんだよ…
間違いなんて無いんだよ…
私は
深く息を吸い込んで
両手でその扉を
押し開けた
そこには
ブルーターコイズの海が
キラキラと眩しいくらい
輝いていた
teal tree